景気は徐々に上向きとは言っても、企業でのコスト削減はよく言われることで、特に専門知識を必要とし、しかも経営陣からはあまり理解されていないIT部門はコスト削減の標的であると言えます。IT技術を用いて企業のコスト削減を行うはずが、その部門自体コスト削減を強いられるというなんとも言えない話ですが、外部から見ると実態が分からない部門でもあるので、仕方ないかもしれません。
会社自体の規模が大きくなると、各部門ごとにシステムが重複していたり、パソコンやコピー機などの機器も乱立している、ということがよくあります。各部門、個人個人がそれぞれ努力するのはいいのですが、結果として会社全体で見た時に、それぞれが突出してしまい全体的には調和がとれず無駄やムラが見られるということになれば、おのずとコストもかかってしまいます。まずは各部門ごとのシステムや機器の見直し、そしてから各部門から人材を集めプロジェクトグループを結成し、コスト削減に向けて短期間で何かしらの成果を出すことを目指します。一つ成果を挙げれば会社の雰囲気も良くなり、みんなで改善していこうという意識が生まれやすいので、これは大切なことです。
また、コスト削減にはシステム統合、クラウドの利用が常套手段ではありますが、例えばサーバーが落ちてしまったときにどうするのかも決めて対策を練って置かなければなりません。その分の仕事を人間が行うのか、それとも別のシステムを用意しておくのか。統合するとコスト削減にはなりますが、万が一のことがあったときに一気に機能しなくなるというデメリットも生じてくるので、その時のことまで対策が必要です。むやみやたらにコスト削減を考え実行するのではなく、きちんとリスクヘッジも考えながら行っていきましょう。